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夢の音

ドビュッシーに「夢」という曲があるのだけれど、あんな安らかな夢、体験したことがありません、不思議です。どちらかというと「二度寝」というタイトルがふさわしいように思います。そういうのはシューマンの「トロイメライ(夢)」にもあって、あの曲は「寝たふり」をしているか「死亡直後」かのどっちかという印象です。

シューマンの場合は特に「慈愛」に満ちていて泣けてきます。あの優しい眼差しを見習いたいところです。ちなみに、シューマンの「子供の情景」は「子供の情景を観ている人」の視点込みの曲集だなと感じます。

リストの「愛の夢」になると、妄想力というよりも、実際にこういう体験をしたのかもしれないという幸せな感じがします。ところで、リストの「愛の夢」は英語では「A Dream of Love」なのだけれど、原題は「Liebestraum」で「Liebest」が「好き・愛しい」の最上級で「Raum」は主に「空間」という意味です。これを「愛の夢」と訳しているわけだけれど、最初にこう訳した人(多分、英国紳士)はリアリストだなと思います。逆に、リストがあれを夢や理想として書いたのか現実のものとして書いたのか、それもちょっと気になります。
by kourick | 2006-03-05 00:00 | 日記