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『論考』と略されることも多い

「記号言語」という言葉が不可解だという話をしたけれど、ウィトゲンシュタインの著書『論理哲学論考』も十分に不可解な書名だ。初めて手に取ったとき、「論理哲学とはいったい?」と思ったのを記憶している。

原題は「Tractatus Logico-Philosophicus」というラテン語で、スピノザの「神学政治論(Tractatus Theologico-Politicus)」のパロディ。当時のケンブリッジでこういうのが流行っていたのか、同僚のムーアが付けた書名です。これも懐古趣味というだろうか。

ちなみに中身はドイツ語で書かれています。ひとつひとつの文章が非常に短いのでドイツ語の勉強にはもってこいの哲学書であるけれど、ドイツ語の勉強がしたいならなにも哲学書を使うこともないのではないかと僕は思う。
by kourick | 2006-03-16 00:00 | ○学