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 キルケゴール 『死に至る病』 の一説。
…Not,Krankheit,Elend,Bedraangnis,Widerwaartigkeiten,Qualen,Seelenleiden,Sorgen und Gram.
 できるだけ、これらの意味を羅列すると次のようになります。
窮乏、貧困、困窮、困苦、苦しみ、苦境、窮地、辛苦、苦労、厄介,病気、病、疾患、疾病,不幸、惨め、惨憺,苦しさ、困難、苦悩,嫌悪、不快、嫌な、忌み、面倒な、反感、嫌気、毛嫌い,責苛む、苛める、困らせる、悩ませる、閉口させる、てこずらせる、煩がらせる、嫉妬する、非難する,煩悶,気がかり、懸念、不安、憂慮、心配、気遣い、悲哀,心痛、悲嘆、憤慨、痛恨、不機嫌、恨む。
 キルケゴールによると、これらは「死に至る病」ではないのだとか(おおお!)。そういうわけで、「絶望」が死に至る病なわけですが、この絶望はわたしたちが日常的に使うものとは異なっています。

 むしろキルケゴールは、「絶望がなかったら生きていられないのである」とか「仕事をバリバリしている人こそ絶望しているのである」とか言い出すのでどうしたものか。キリスト教徒ならわかるのだろうか。

 それはそれとしても、さすがの語彙力です、キルケゴール先生。やはり、絶望する以上、このくらいネガティブな単語をすらすら列挙できないといけません。なんという後ろ向きの突進力。見習いたいものです。
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by kourick | 2005-04-30 00:00 | ○学
 正直、僕はいささか途方に暮れていた。仕方がないので僕が「途方に暮れゆきわが身かな、わが身ありとも闇は眠りき、めでたし」と一句読み、道すがら布団を引き始めた時、どこからか大王が現れて「どうしたのであるか、そこの途方に暮れゆき人」と言うので僕は「さすが大王、あなたはすでに僕の全てをわかってらっしゃるのである」と大王の目を見て言うともぞもぞと布団に入った。

 大王が「これこれ」と言うので僕が布団から顔をだすと大王は寂しそうな顔をして「暇じゃ」と言った。僕はこの大王は滅多な大王ではないなと思い「なるほど、それもそうでしょう」と言った。「大王、あなたは僕に会った瞬間にすでに僕が途方に暮れゆき人であり、かつ、それ以外の何者でもないことを見抜かれた、それでは暇なことでしょう」と僕が言うと「実に申し訳ないことをした」と大王は素直に僕に謝った。

 僕は罪悪感に苛まされ道の脇に立っていた樹にふらふらと縄を結び首吊り自殺を試みようとしたのだが、僕が頚動脈と椎骨動脈の位置を確認し角度を計算しているうちにそれまで黙って様子を見ていた大王に縄を切られて未遂に終わった。僕は布団に戻ると寝ることにした。すると大王は「どうして途方に暮れるのじゃ」と言った。

 僕は「知りたければこの道の先を見るのじゃ」と言い、布団に潜り込んだ。大王は「なるほど、あれこそ見事な途方よ、ここで暮れるのも仕方がない」と言い「では、私も今日はここで途方に暮れることにしよう」と言って自殺の樹の下に腰掛けた。大王は迷惑な奴だが、気の置けない奴でもあった。

 仕方がないから、いまでもたまに会っている。めでたし。
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by kourick | 2005-04-29 00:00 | 夢峰
 僕が公園の広場で手を広げて踊っていると「ちっ」と舌打ちがしたので音のしたほうを見てみるとそこには一匹の雀が。僕はどうにかしてこの雀をいじわる婆さんのところに連れて行けないものかと「そうだ、あれはどうだろう」と思い山中農園で採れた新鮮なトウモロコシを投げつけたら見事にヒット。「今日の晩御飯は雀だね、ママン」とかなんとかぶつぶつと呟きながら僕が雀に手をかけようとするとどこからともなしに現れた「ケン」が僕のチュンチュンを横取りした。

 僕が落ち着き払って「ハイ、ケン」と言うと「こんにちは、今日の天気は良いですね」とかケンがぬかしやがったので「俗にいう地獄の陽気というあれだよケン、君は迅速にそのチュンチュンを僕の足元に置かないと煮殺される」と遠回しに宣告しました。

 するとケンが「ハハ、それはジョークだ。良いジョークだ。ところでこの雀は怪我をしているようですね」とかすっ呆けたことをぬかすので「そうです、まさに僕の弟です」と僕が告げるとケンは馬鹿なので「そうですか、ならばそのようなこともあるでしょう」と言って僕にチュンチュンを渡しました。

 それにしてもと思い「ところでケンはどうしてこの街に来たのですか」と僕が尋ねたところ「そうです、いまのいままでわたしはそのことを忘れていました」とケンは言い、続けて「この辺りにケツストリートがあると聞きました」と言いました。確かにある。僕が黙ると「わたしはそこでタクアンを食したいのです」とケンが真面目な顔をして言いました。なるほど、これは昨今、まれに見る熱心なケンである。僕はこころを打たれました。

 僕は「いかにも、実はここがケツストリートである」と言いました。ケンは驚き「ここが」と言って地面に崩れ落ちると天を仰ぎました。するとケンに向かって雲の切れ目から一筋の光が差し込み、どこからか荘厳な音楽が……。次の瞬間にケンは「かけだしケン」から「ちょっとしたケン」にクラスチェンジしていました。

 そして「わたしはタクアンのためなら、どこにだって……」と言って涙を流したのです。僕は「このケンには到底、敵わない」と悟り逃げ出しました。僕は部屋に帰るとこの日の出来事を「涙のケン」と名付け、カレンダに記しました。これが後々、あの有名な「悪夢のケン」に至る物語の序章であるとは夢にも思っていなかったのです。

 ケン、僕は忘れないよ、ケン。めでたし。
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by kourick | 2005-04-26 00:00 | 夢峰
 道に迷っていたらたまたまそこを牛が通りかかったので「どこ行きですか」と尋ねたところ「個人ニュースサイト行きである」と牛が言うので「それはもしかして地獄のことですか」と訊いたところ「牛にはわからないのである」と言われてそのまま連れてこられてしまったというような展開で個人ニュースサイトなどというものをやっていたりします。

 その牛はいま庭で放し飼いにしているのですが、ときおりお客を探しに街にふらりと歩いて行きます。僕はもともとは文芸サイトをやりたかったのです。しかしながらいまひとつ認知されず、ある日、部屋で飼っていた兎が「もう限界です」と言って草を食すのを止めたのです。僕は彼の死すら厭わぬ決死の断食に胸を打たれ文芸サイトを諦めました。

 そして僕はテキストサイトを望みました。いわばウェブサイトの花形です。僕は夕陽に向かって走りだしそうになるのをグッと押しとどめ「よしっ!」と意気込むとカチャカチャとサイトを書き始めたのですが、ふと窓のむこうの駐車場に目をやると空から鰻が降り注いでいました。豪鰻です。僕は驚いて家を飛びだすと一面に広がる鰻の海に絶叫しました。

「ウナギィイイイイイイ!!!!」

 そのようなわけで僕はいそいそと新鮮な鰻を拾い集め天ぷらにして食しながら「鰻はやっぱり、塩よねぇ」とかなんとか言いながらテキストサイトになることを諦めました。その次の日です、道に迷って牛に拾われたのは。そのような因果でいまでは個人ニュースサイトなどというものをやっているのですが、まあ、これといって特徴もない普通のサイトです。

 そろそろ鵜とかが訪れるのじゃないかとどきどきしています。めでたし。
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by kourick | 2005-04-25 00:00 | 夢峰
 昨晩、花田勝に会った。「最近なまってるから、なまりきってるからオレ」って言うから僕は花田勝の腹筋を重点的にトレーニング。「ヒッヒッフー、はい、ヒッヒッフー! もう一回、ヒッヒッフー!」と励ますこと30分、花田勝の足元には可愛い赤ちゃんが転がっていた。やってみるものである。「おんぎゃあっ!」って赤ちゃんが叫ぶのを横目に花田勝は「はぁはぁ」と息を荒げていました。

 どうやらなまっているのは本当だったらしい。僕が「これは想定の範囲内ですか?」と尋ねると「そういうのは伊集院光に尋ねると良い」というので「それを言うなら堀江社長では?」と思いつつも華麗にスルー。花田勝はテレビに登場する外国人女性がダイエットに必死になるのを見て「あいつらはそもそも食いすぎなんだ」と呟きました。

 すごい説得力でしたよ。めでたし。
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by kourick | 2005-04-24 00:00 | 夢峰
 僕の部屋の椅子に背もたれがないのには理由があります。というのも、実はその背もたれは五年前に僕の生命を救ってそのまま息を引き取ったのです。この話をすると三人に二人はまず感動して泣いてしまいます。そして、そのようにしてできた水溜りに顔を付け自殺するのです。残りの一人は泣きはしないのですが、必死の形相で自分の背もたれを探す旅にでます。そして、そのようにして何人もの人が消息を絶っているのです。

 僕はある日、背もたれの話をすることを自らに禁じました。僕は椅子に座り背筋を伸ばします。疲れるとそのまま寝ます。起きると床に倒れています。最初の二年間、僕は後ろ向きに倒れました。そのたびに後頭部を打ち、記憶を失いました。そして、その後の二年間、僕は前向きに倒れました。前頭部を打ち、記憶を失いました。一年前からは寝るときは布団に移ることにしています。気持ちよすぎて記憶を失いました。

 ときおり、僕は椅子の前後を確かめると背もたれのあった場所を確認し、じっとそれを眺めます。背もたれを支えていた箇所、そこには四角い穴が開いています。それだけです。実のところ、僕に背もたれの話などできようはずもなかったのです。にもかかわらず、僕は背もたれの話をし、そして、その話は何人もの人を殺してきたのです。僕は背もたれの話をしてはいけなかった。そういうことだったのです。

 げに恐ろしきかな椅子の背もたれ。めでたし。
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by kourick | 2005-04-23 00:00 | 夢峰
 煎餅が置いてあったので折角だから「蜂蜜はないか」と家人に尋ねたところ「ないよ、どうしてあるものか」と言うので探してみたら台所に蜂蜜がありました。「やはりな」と思い瓶の蓋に手をかけると「それは毒で食すと危ない」と家人が言うので「自殺願望があるのである」と言うと僕は蓋を開け匙で蜂蜜を舐めりました。うまいあまい。

 底のほうにたまったざりざりしたのがうまいあまいのです。そのようなわけで僕は二度三度自殺を試みつつも死に切れずうまいあまいを舐め続けているわけです。ところで僕はこのうまいあまいを舐め終わると同時に死ぬに違いないのですが、瓶の底にはなんとサイババのブローチが!

 蜂蜜がどんどん溢れて当分死ねそうにありません。めでたし。
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by kourick | 2005-04-23 00:00 | 夢峰
ふと、「ジュアール」とフランス語風に呟いてみる。「セレブだな」と思った。
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by kourick | 2005-04-23 00:00 | 日記
 昨日、ネジトリに会いました。僕がふっと窓から列車内に視線を戻すとネジトリがいたのです。彼がすっと手を上げると、その手の先にはすでにネジがありました。僕がふと「見事な腕ですね」と声をかけると「もう、長いですからね」と彼は顔を上げました。そして、僕は即座に気付きました。実にそれは正真正銘の「ネジトリ」だったのです。

 僕が驚いて「あっ」と声を上げるとネジトリは「ふっ」と笑ってネジをほろっと空中から取りだしました。そこにあったネジを取ったのです。それは「ネジトリ」でした。音も立てずにネジを取り、ドライバ片手に世界を旅する神出鬼没の男「ネジトリ」です。いまや全世界にネジトリはいますが、実に彼こそが「ネジトリ」なのです。ネジトリがまさにネジトリと呼ばれるのは彼が「ネジトリ」と呼ばれたからなのです。

 数年前に「ネジウメ」と決別したのと同時に「ネジトリ」は姿を消し、それとともに伝説になったのでした。その「ネジトリ」がここにいるのです。「ネジトリ」に生きているうちに出逢うことができたということはこの上ないほどの幸運であるように僕には思えました。そして僕がじっと凝視するなかネジトリはまた音も立てずにネジを壁から取りだしたのです。それにしても、どうして僕は彼が「ネジトリ」だと即座にわかったのでしょう、僕にはそれが不思議でした。

 僕はそれから五分ほど彼の仕事を見ていました。彼の仕事は非常に淡々としたもので僕が見ている間に急がず焦らず12個のネジを取り、ネジの穴を補整しました。僕は「なるほど」と思いました。これがネジトリの仕事なのです。僕は彼が息を吐いたときを見計らって「それにしても見事なものですね」と彼に尋ねました。彼は僕を見ると首を少しだけ傾げました。

 僕は両手を開き「僕はネジトリというものをいまのいままで誤解していました、しかしいま、あなたの仕事を見てはっきりとわかったんです」と少し首を傾げながら言うと「と、言いますと?」と彼が首を元の位置に戻したので「ネジトリとはネジを取るのが仕事なのだということです」と言って僕も首の位置を元に戻しました。すると彼は「ご明察です」と言ってにこりと微笑みました。

 彼は腰をグイィと伸ばすと僕のほうを向き「ときにあなたであれば、このなかからどのネジを取ろうと思いますか?」と言いました。僕は「そうですね」と言い、辺りを見回すと頃合の位置にあったネジを指差しました。それは優先席の座席の上にありました。そこには苺の乗ったショートケーキがお皿の上に乗っており、その横に置かれているフォークが実はネジでした。僕は「これですね」と言いました。

 すると彼は「なるほど、あなたは少し変わった着眼点を持っていらっしゃいますね」と言って二度ほど頷きました。そして「そのネジはもしかすると取ったほうが良いかもしれない、しかし、その苺ショートケーキからそのネジを取ってしまうというのはわたしは少し無粋である気がしますね」と僕を諭しました。僕は「いや、その通りだ」と思いました。僕は気の利いたことをしようとした自分を恥じました。

 ネジトリからは教わることが多いです。めでたし。
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by kourick | 2005-04-22 00:00 | 夢峰
 雪が降っています。「これは!」と思い、雪の妖精さんに「これは?」と尋ねたところ、「狂ったのです、いま狂ってるのです」と言ってました。どうやら狂っているそうです。めでたし。
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by kourick | 2005-04-21 00:00 | 夢峰