見る余裕もないだろうし、さすがに今期のアニメは見れないかなと思っていたのだけれど、わりと見ています。もちろん、余裕はありません。ちなみに、最初から見るつもりでした……つまり、「見れないかなと思っていた」とか、言ってみただけ……僕は、思ってもないことを言った!

だが、昔の人は言いました……嘘も方便と。人は、ときに思ってもないことを言わなければならないときがある。優しい……力強い嘘を吐こう……いや、そうあってほしい嘘を吐こう。君は思ってもないことを言っているか! 嘘を嘘のままにしてはいないか! 真っ白に、なろうとしているか。

まあ、それとはあまり関係ないけれども、今期もアニメを見ている。あまり話題になっていないような気がするけれど、今期の観なきゃいけないアニメは「喰霊-零-」と「鉄のラインバレル」です。それに「イヴの時間」と「のらみみ2」が続き、「かんなぎ」と「とらドラ!」も見ておこうという感じ。

予想が当たる……予想通り、それはたしかに良いことだ。しかし、そもそも予想通りになるように予想をしているのだったら、本末転倒というもの! 予想通りなことは良いことだ……だが、予想を凌駕するのはもっと良いことだ……そして、予想に一歩及ばないのは、さらに良いことだぞ!

予想通り……しかし、それは予想通りな……だけ! 若者よ、予想通りを目指すだけじゃあ、いけないぞ。予想通りに逃げちゃいないか……志を抱いているか。自分の予想を裏切る……自分に負けない、ああ、そういう人でありたい! 君は成長しているか……成長しようとしているか?

感動に、殺されているか……もっと……もっと死のう。だが、本当に死ぬのはよせ! 死ぬぞ!
[PR]
by kourick | 2008-12-07 00:00 | アニメ
11月21日に OVA の五巻が発売されるせいか、ニコニコ動画に HELLSING の OVA が上がっている。二話と三話はいちおう偽装されているけれど、一話は偽装されておらず、どれも消されていない。11月04日に第二話、11月08日に第一話、11月10日に第三話。再生数は40000弱、70000弱、20000弱といったところ。ただ、発売直前の全滅は必至ですね。

なにがどう面白いのかを説明するのは骨が折れる(し、ちょっと危険かもしれない)けれど、面白い。「平野節」といわれる独特の台詞回しと豪華声優陣も良いけれど、カメラワークが地味に凝っていて、映画を意識しているような感じ。もちろん、アニメーションも良い。僕は倉田英之さんを無闇に信頼しているのだけれど、ああ、やはりいいなと思った。しかも、黒田洋介さんとコンビ。

倉田英之さんというとタイムリィな話題の「かんなぎ」ですが、ヤマカンさんがインターネッツの某巨大掲示板のスレでやたら嫌われていて笑った。どうして、あんなに嫌われているのかわからないけれど、なにか原因があるのだろうか。第五話に本人が出演しているシーンがあるけれど、そのあとに倉田さんも出演しているし(笑)、楽屋落ちが多いのは倉田さんの影響のような。

それはさておき、やはし、かんなぎの OP はすごいなと僕は思った。ああ、こういう動きって目を奪われるんだなという発見。らき☆すたの OP もそうだったけれど、ああいうのがセンスなんだろうと思う。らき☆すた放映当初、僕は完全にノーチェックだったのだけど、友人から「話題になってるよ」と紹介されて見たのがあの OP で、最初はドン引きしたけど気付いたら繰り返し観ていた。

そして、そのまま本編も見た。まさに思う壺! 動きの面白さというか、おお、こういうのも格好良いという新しい発見はガイナックスの作品に感じることが多かったのだけど、ああいう OP にも感じるとは! 京アニから追い出されちゃったみたいだけど、どこかに腰を落ち着けてこれからも楽しませてほしいなと思う。というか、倉田さんとのコンビはけっこう合ってるような。
[PR]
by kourick | 2008-11-11 00:00 | アニメ
第二期や続編が多いからあまり観ないのではないかなと思っていたのだけれど、結局、去年から今年にかけても相当数の作品を観ています。

ただ、「グレンラガン」「精霊の守り人」「電脳コイル」という強力な布陣に「瀬戸の花嫁」「バンブレ」「クラナド」といった遊撃部隊と「みなみけ」「スケッチブック」といった救護部隊があり、「らき☆すた」という補給部隊もある状況に援軍として「もっけ」や「神霊狩」が駆けつけてきた昨年度を思うと、2008年度は少し見劣りするかなというのは正直な感想です。

まあ、毎年、昨年度みたいなことになっていたら、それはそれで異常事態のような気もします。「もやしもん」や「げんしけん」もあったし、わりと幅広い層においてアニメの話題に事欠かない年だったのではないかと思っています。「エヴァ」「時かけ」「河童のクゥと夏休み」と劇場版アニメもふるっていましたし、スロットからアニメに流れてきたという人にもオフラインでけっこう会いました。

というわけで、いまのところ、今期スタートの作品で見続けようと思っているのはノイタミナ枠「墓場鬼太郎」のみという状態です。水木先生ファン歓喜。あとは「のらみみ」かな。「PERSONA」も気になっているのだけれど、すでに似た印象の作品がけっこうあるので、どちらかというと腐女子向けという位置付けになりそうかなと感じています。むしろ、金子一馬さんのキャラデザによる、より世界観の重厚な濃い「メガテン」「デビサマ」を見てみたいです(具体的に言うと、「ソウルハッカーズ」を Production I.G に制作してほしいです)。

話題の「みなみけ~おかわり~」ですが、僕はキャラデザの変更よりも脚本や演出のほうに気になるところがありました(あと正直に言うと作画もちょっと)。ネガティブな話になるので詳細は省きますが、この気になり方はグレンラガンの第四話のときと同じです。第二期になって崩れてしまったなという点では「ガンスリ」も同じだけれど、むしろ、これらの作品は「第一期が特別良かったのだ」と把握したほうが良いのかもしれません。大人の事情があるのでしょう。
[PR]
by kourick | 2008-01-12 00:00 | アニメ
・ 来週で「精霊の守り人」が最終回かと思うと寂しすぎます。中盤からはもう、30分アニメを観ている気分ではまるでありませんでした。この水準の番組というのはアニメ以外を探してもそうないのではないかとおもいます。正直、最初の6話くらいで一度挫折したのだけれど、そのあと15話くらいまでを通して見直して、完全にはまりました。

・ 見逃した回はニコニコ動画で観ていたのだけれど、再生数はどの話もけっこうあって、ちょっと意外なほどコメントも多いです。 各話、再生数が約20000で、コメント数が約7000付いています。特に第10話以降の視聴が多いですね。ID も確かめたのだけれど、特定の数人によるコメント爆撃はありませんでしたから、やはり観た人の評価というのは高いのかなと思います。

・ 「精霊の守り人」はニコニコ市場での DVD や原作の購入者もけっこういるし、もっと I.G. の中の人は自作自演のコメントを投下したらどうかなと思います。今週分の動画は来週の最終回が終わるまでは泳がせるのが得策ではないでしょうか。NHK で再放送が始まるらしいから、それまでには消されるのでしょうけれど。

・ ちなみに「東京ゴッドファーザーズ」は再生数が約700で、コメント数は約50程度です。萌え系、燃え系、和み系といったエンタメ系の作品の視聴率は高いのに、作家性の強い作品になると極端に再生数が落ち込むというのは興味深いです。

・ Kourick SuBlog はできるだけ長持ちするちょっとマイナな動画を紹介したいから、権利者との兼ね合いで消されやすいアニメはあまり紹介しないようにしているのだけれど、今週はやや連投しています。

・ ニコニコ動画や YouTube に上げられた動画の紹介というのは、微妙に悩むところでもあるのだけれど、最終的にはやはり紹介してしまいます。つまり、著作権的に黒いネタを「紹介してはいけないかどうか」というのは悩むところだけれど、結局は「紹介できるものは基本的に紹介する」というスタンスでやっています。もし、著作権的に黒いネタを紹介することが著作権侵害幇助になるというのであるなら、もちろん僕も紹介しないのだけれど、いまのところそうはなっていないので紹介します。

・ 宇仁田ゆみ 『うさぎドロップ』 を読みました。泣きました。よもや宇仁田ゆみさんに泣かされることになろうとは思っていませんでした。
[PR]
by kourick | 2007-09-23 00:00 | アニメ
 今敏さんの映画「パプリカ」を観ました。二回通したあとに、何箇所か部分的に見直す。監督の過去の作品や国内外のアニメ、そして、映画のオマージュや原作ネタが多かったですね。

 わりと集大成的な作品といえるのではないでしょうか。複雑な構造のわりに場面の展開は爽快で、さまざまな要素の詰め込まれた作品だったと思います。

 終盤の展開は明らかに説明が足りないのに、お構いなしで魅入ってしまうのはすごい。そのあたりの強引さは宮崎駿さんの「千と千尋」に近いものがあるかなと思ったり。

 今敏監督がアニメギガのインタビューに「連想でいこうと思った」と応えているのには「なるほど」と思いました。虚実の入り混じった現実感こそが人間の認識する現実であるというような設定は観ていて面白い。

 ただ、夢と現実を存在論的にかなり等価に扱っているのには、やはり違和感を覚えてしまうところもあって、個人的にはややジレンマを感じるところだろうか。

 妄想代理人に引き続き、音楽は平沢進さん、大好きですね。シネマ通信によると、先に平沢さんに音楽を作ってもらっておいて、それを聴きながら制作したのだとか。

 なににせよ、あまり「わかろう」としすぎると純粋に楽しめない作品かと思いました。作品自体、ないし、作品全体を直感的に受けとめて楽しまないとちょっと混乱しそうではある。

 少し話は逸れて、声優さんの話。実力派で有名な人が大勢出演されているのだけれど(僕が虚心坦懐に観れなかった理由のひとつ)、主人公の CV 林原めぐみさんはかなりいいなと思った。

 これはアニメ特有の表現手法かと思うのだけれど、この作品では登場人物の人格の同一性を声優の声(正確に言うと声質かな)で担保している。それがとても面白かったし印象的だった。

 考えてみると、ラジオやラジオドラマが成立するのも、これが可能だからなのだ。たまに声優は2.5次元の存在と言われたりするけれど、これはけっこうなるほどなと思うところ。

 有名な作品の声優が変更になるというときに賛否の声が挙がるのも、声というものの同一性がキャラクタの同一性にとって大きな要素だからでしょう。アニメのキャラは設定以上に受肉している。

 ちなみに千葉敦子のときはフェイに近い声で、パプリカのときはリナに近い声になっている。そして、どちらも林原さんの声であり、二人は同一人物だとわかるところが面白い。

 そして、それらが本当に同一人物なのか、というところは考察の余地があるかもしれない。とりわけ、「パプリカ」という存在をどう理解するかというところは重要なところかも。

 虚構の存在者と実在する存在者の存在論的身分は明らかに異なるけれども、彼らのキャラクタとしての面だけをみたときには、それはやはり、等価なのだろうと思う。
[PR]
by kourick | 2007-09-22 00:00 | アニメ
宮台真司さんが最近使っている「内在」と「超越」による比喩が興味深い。東浩紀さんの言葉でいうと「動物的なだけでは幸せになれない」ということのようです。違う言葉遣いをすると、相対主義ないし多元主義が浸透した結果、物事の判断基準が過剰に崩れ、個々人のよって立っていた岩盤が非常に不安定なものになったということだろうか。この手の主題は哲学や倫理学、または論理学のなかにも含まれているように思います。

2005年の『SIGHT』という雑誌で、江口寿史さんがインタビュに応えて、80年代に入ってから、「おもしろい/つまんない」から「心地いい/よくない」に漫画読者の感性がシフトして、それを自分自身も感じていることに戸惑っていると言っているのだけれど、BS マンガ夜話でいしかわじゅんさんも、読者の判断基準が「上手/下手」「善い/悪い」から「快/不快」という風にシフトしたと喋っており、やはり客観的な基準といったものはその時期に一度瓦解したのだろうなと思います。

話し変わって、先日、アニメのポルノ化という話を友人に聞きました。アニメというものがオタクというマーケットだけで市場を形成できるようになった結果、制作サイドが消費者の欲望に忠実にアニメ作品を作る傾向がかなりでてきたという指摘で、こうした快楽原理に従った作品の乱立というのは、実にポルノの作られ方と似ているという話でした。僕はなるほどなと思ったのだけれど、このことの評価はまだ保留しています。
[PR]
by kourick | 2007-09-07 00:00 | アニメ
・ 当たり前なのだけれど、本当に「クレイモア」が週ジャンで連載していて驚いた。紙面の雰囲気があそこだけ違うのだけれど、八木教広ファンとしてはたまらない。『エンジェル伝説』 と似ている設定もあるけれど、どうして八木教広さんが(厨二漫画と呼ばれかねない)バトルファンタジーものにいったのか不思議。週間少年「八木教広」とかで解明してほしい。ちなみに、アニメも普通に面白い。桑島法子さんのソツのなさは改めてすごいなと思った。

・ 今期のTVアニメでいまでもちゃんと観ているのは、
 「グレンラガン」
 「電脳コイル」
 「精霊の守り人」
 「大江戸ロケット」
 「クレイモア」
 「瀬戸の花嫁」
 「らき☆すた」
 「絶望先生」だけです(忘れていなければ)。

・ なにはともあれ、「グレンラガン」が突き抜けて面白い。第四話は作画というよりも、むしろ脚本が残念だったと僕は思うけれど、第四話を抜けると、あとはもう異議なし。どれも良回なのだけれど、第五話は倫理的に面白いし、後の伏線にもなっていて、「わしも読めんのだ」で初泣き。マギンの CV 中田譲治さんの声に痺れた。

・ グレンラガン、いまのところ最高なのはいいのだけれど、終わり方は気になる。これほど終わらせ方が気になるアニメは久しぶり。「リヴァイアス」以来かもしれない。終わり方というと、「RED GARDEN」の続きがでたとか。まだ観ていないのだけれど、GONZO 制作なだけあって観るのが少しこわい。ただ、途中まではかなり良かった。最後の最後で巨大ロボットがでてきたら、さすがに悶絶する。

・ 「精霊の守り人」は I.G. のわりに嫌味もなければ、説教臭さもあまりない。珍しい。映像は動いているし、しかもすごいきれい。ただ、相変わらず、主人公が完璧超人。どうして、ああいう隙のないキャラクタになってしまうのだろう。制作ドキュメンタリを見るかぎり、神山健治さんの意向みたいだけれど、いまのところ、僕はちょっと残念。

・ 「攻殻」の少佐も、個人的には原作のちょっと抜けた茶目っ気のあるほうが好き。I.G. は、天才とか、通常の人間とは別格の存在が活躍するほうが好みなのかなと思う。どうみたところで別次元の存在なのに「あなたたちと同じ水準の存在ですよ」というスタンスで物語に登場するからたちが悪い。

・ あと、OP 曲のラルク・アン・シエルはどうなのだろう。聞き慣れるとありだと思うけれど、見始めた頃、僕はちょっと不思議な気持ちになった。なにを言っているのかわからないし。打って変わって、ED 曲は・・・あれは良いものだ!

・ 「グレンラガン」「大江戸ロケット」の中島かずきさんだとか、「グレンラガン」「らき☆すた」の島本和彦さんだとか、今期はわりと熱血なのが流行り。やはり不景気なのかもしれない。

・ 中盤で切ったのは、
 「ぼくらの」
 「ギガンティック・フォーミュラ」
 「ひとひら」
 「まなびストレート」というあたり。

・ 「ぼくらの」はアニメ独自路線になってから、ちょっと距離を置いている。「なるたる」もそうだったけど、そもそもTVアニメにできるわけないよなというところ。「ぼくらの」は「なるたる」よりもキャラクタの特性(役割)がはっきりしているけれど、それでも各人のテーマの掘り下げはTVアニメ独自路線では難しいように思う。奇妙な倫理的メッセージを含ませられると、観ていていらいらしてしまうので、終わったあとでまとめて観ることにする。

・ 漫画を例にとると、間瀬元朗 『イキガミ』 はまだいいのだけれど、高橋ツトム 『スカイハイ』 はちょっとなという感じに似ている。どっちもどっちなのかな。高橋ツトム作品は総じて好きなほうなのだけれど。

・ ニコニコ動画でどういうわけか OP 曲の「アンインストール」が大人気。しかし、どうしてなのか僕にはわからなかった。たしかに雰囲気にあった曲だとは思うのだけれど。

・ ギガンティック・フォーミュラは途中から自然と観ないようになった。ギガンティックのデザイン自体は面白いのだけれど、途中からストーリィがおざなりになったような気が。

・ 余裕のできたときに観ようと思っているものもけっこうあって、
 「シグルイ」
 「地球へ」
 「キスダム」
 「おお振り」
 「スクールデイズ」とかはそう。観ないかもしれないけれど。

・ ただ、「シグルイ」は観たい。少し観たところ、なんだかすごかった。山口貴由作品ではどういうわけか「覚悟のススメ」もアニメ化されている。

・ 結局、アニメ・オリジナルで今後の展開を期待して見守れるのは、「グレンラガン」と「電脳コイル」ということで、変化球に「大江戸ロケット」というところ。
[PR]
by kourick | 2007-09-05 00:00 | アニメ
楽屋落ちから始まり、普通に面白かったです。声優陣も豪華だし、脚本・演出・作画のどれも(無駄に)クオリティが高いです。レイズナーのパロディには爆笑しました。
[PR]
by kourick | 2007-08-28 00:00 | アニメ
 Zガンダム劇場版第三話「星の鼓動は愛」をやっと観ました。「明るいZ」という富野御大の言葉通りかどうかはさておき、ラストでカミーユが精神崩壊を起こさないのには(想像はしていたものの)ちょっと感動しました。そして、その分、シロッコの扱いが微妙になっていると僕は思います。

 そして、そこに注目して読みすすめると、富野御大がある意味で穏当になったという具合にこのアニメを観ることになるのではないかと思います。

 Zに登場する指導者的役割を果たすニュータイプ(ハマーン、シャア、シロッコ)は皆、貴族主義者です。これはF91で正面から扱われるようになるテーマですが、Zでも暗にそうなっています。

 そのなかでハマーンとシャアは、「地球の重力に魂を惹かれている人々」の粛清を行う(選民思想が色濃くでる)ようになりますが、シロッコは本作品中では「オールドタイプを導く」としか言わず、抽象的な表現で良いなら「女性による統治」を何度も仄めかしています。

 もちろん、シロッコも後々、シャアのように「ならば今すぐ愚民どもに叡智を授けてみせよ!」と叫ぶようになったかもしれないですが、本作中の段階ではそこまでマッチョな思考に傾いてはいません。

 そう、もしかしたらシロッコの台頭によって、人類の革新が成功裏に進んだ可能性はなきにしもあらずなわけです。(だからこそ、レコアの駆るパラスアテネがティターンズを倒しに向かうということは、まさに象徴的に感動できる出来事なわけです)

 そのようなわけで、たしかにシロッコは作中で暗躍するにせよ、ラスボス的に倒されてよいキャラクタでもありません。それをカミーユは「人類の革新は個人の手によって恣意的に行われるべきではない」という、まさに自分の個人的な判断でシロッコを悪として、オーバーテクノロジーを用いた反則技で殺すわけです。

 ここには漫画版ナウシカと同じ構造の問題があります。もしかしたら、この判断は人類の豊かな未来に対する重大な反逆だったかもしれないのです。だからこそ、偉大なる指導者シロッコの死という代償として、主人公のカミーユが精神崩壊を起こすというのは、実のところ、釣り合いが取れていたのです。

 ところが本作では、シロッコを殺したあと、カミーユは五体満足に生き残ってファに心配された挙句にいちゃついて終劇です。いったい、これはどういうことなのか。恋愛劇としてはまとまっているしもちろん面白いけれども、常識を過剰に突き刺すような富野節はどこにいったのか。僕の考えではこうです。

 基本的に御大は「大人」を「聡いところもたしかにあるが、やはり狡猾で薄汚いもの」として描き、「子供」を「馬鹿で融通が利かないけれども、純粋無垢で直感的に正しいことを把握するもの」として描きます。そして御大はそのどちらも殺します。悪い大人が一方的に死ぬこともないし、良い子供が一方的に生き残ることもない。

 はずだったのだけれど、本作ではシロッコが悪玉として死に、カミーユが善玉として生き残る(御大がもっとも嫌がりそうな)ある種の勧善懲悪ものになっています。それとともにカミーユの嫌らしいところはむしろカツが引き受けてくれていて、カミーユ自身は自分の芯をもった精悍でいて聞き分けの良い己の葛藤に自分で結論を出せる立派な主人公です。そして、ファとカミーユは子供の恋愛をしているという扱いを頻繁に受けています(ラストシーンもそう)。

 これはある面で、御大がガンダムシリーズで追及していた(と思われる)はずの「ビルドゥングスロマン」を否定しています。カミーユを最後まで子供として扱うということ、そして、周りのクルーやブライトさんがそれを(冷ややかにではなく、暖かく)見守っているということ、これはつまり、子供にむかって「成長しろ!」と言うことを御大はもう止めたということなのではないかと僕は思いました。

 シロッコという野心は抱えているけれども、悪意とも善意ともつかない思想上中立にある天才指導者の生き死にを、カミーユという少年の判断に委ねたわけです。御大はカミーユに対して「シロッコを殺し、その業を背負って君はこのあとどのように生きるのか」と問うに留め、その業に「カミーユの魂」という代償を払わせるのをやめたように思われます。つまり、説教はほどほどにして、もはや次の世代に「託そう」そして自分は「それを見守ろう」という気持ちに移り変わってきたのかなと受けとめた次第です。
[PR]
by kourick | 2007-01-10 00:00 | アニメ
 こうして僕もすっかり「涼宮ハルヒよりも藤岡ハルヒ」な人間になってしまったわけですが、それはともかく、思いのほか良い仕上がりになっていて、最終回の「物理的には間違っているけど演出的には正しい」展開に不覚にも感動しました。

 妙に女性の多いスタッフ陣も何気に豪華です。てっきりガイナックス専属でやっているのかと思っていた榎戸洋司さんが脚本を書かれていて驚きました。世代的には1960年代後半、遅れてきたオタク第一世代の人という感じでしょうか。

 面白いとは聞いていたのだけれど「桜蘭高校ホスト部」は間違いありませんでした。というか、れんげちゃんの大活躍のおかげでヤオイ界の勉強になりました。基本的な設定としては腐女子がキャラ萌えする内容ですが、ハルヒが可愛いので男子でも楽しめます。

 作画・演出のクオリティは全体的に高いのですが、個人的には第13話「不思議の国のハルヒ」が印象に残りました。地味にパロディが多かったりするところも、スタッフが楽しんでいる感じがして良かったです。第二期もありそうな予感。
[PR]
by kourick | 2007-01-09 00:00 | アニメ